デイサービス | 2024年度介護報酬改定はどう変わる!?お泊りデイを始めるか?・・・検討中!!
今回はタイトルにもあるように「お泊りデイ」を、そうの勤務しているデイサービスで始めるかどうか、検討をしていきたいと思います。
お泊りデイとは
お泊りデイとは、デイサービス施設で日中のサービスを利用後、そのまま施設に宿泊できる介護保険外サービスのことです。
日中のデイサービスは介護保険の適応があるので、負担割合(1割、2割、3割)に応じて支払いをしますが、お泊りデイは介護保険対象外のため、全額自己負担となります。
お泊りデイは利用者さんの心身の状況や家族の負担軽減などに対応し、介護保険外サービスとして提供されています。
特養、ショートステイなどの空きが慢性的に少ない状況にあるため、お泊りデイの需要は高い状態にありそうです。
他の事業所の方と話していると、主に介護者のレスパイト目的で利用されている方が多くいらっしゃるとの事です。
日中のデイサービスからそのまま宿泊することが出来るので、泊りがけの旅行に出かけるなど、ゆっくり自分の時間が過ごすことができます。
比較的安価な料金設定にしているところが多く、1泊1,500~3,000円程度で利用できるところが多い。
そもそも、なぜ「お泊りデイ」を検討しだしたのか?
利用者さんの利便性が高まる事、不安を解消する事、生活をよく知り、介護にフィードバックできる事と、メリットが大きいと思ったため、今の施設でできないか考えるようになりました。
1、利便性が高まる
ケアマネさんへ「明日県外へお葬式へ行かなければならなくなったので、ショート探して」や「息子が入院したから、泊まれるところ探してくれない?」と言う問い合わせがあり、あたふた困っている姿をよく見かけます。
また、ショートステイの利用期間の条件、「介護認定機関の半数を超えてはいけない」「連続して利用する場合30日を超えてはいけない」と長期利用する際の注意点があり、家族さんの要望で宿泊をしていたら、利用可能日数に達してしまう恐れがあり、どうしようと悩まれたりしています。
急な宿泊ニーズに対応できるようになれば、利用者さん、家族さん共に安心できるかと思います。
2、不安を解消する
急なお泊りにも対応するために、何カ所かのショートステイ事業所と契約を結ぶ方も見えますが、大抵の場合は1カ所の方が多いです。(そうの地域では)
明日ショートステイを使いたいからと言って、その日のうちに契約できるかと言われれば、なかなか難しいのが現状です。
お泊りの回数が2,3カ月に1回とか、初めての施設へお泊りに行くとなると、利用者さんの不安も大きくなるでしょう。
慣れ親しんだ施設の環境で、そのままお泊りできるのは、認知症の方にとっても安心して宿泊できると思います。
3、介護にフィードバック
デイサービスの場合、普段見ている利用者さんの姿は、施設を利用している間と、家族さんから聞いたその他の時間帯の生活様子となりますね。
この家族さんから聞いた情報はもちろん大事ですが、実際に見てみると出来ないと言われていた事が出来たり、出来ていると思われていた事が出来なかったりして、その方をより深く知れることが出来るのが大きなメリットだと考えます。(お忙しい中、情報提供してくれている家族さんに感謝です)
夜間の様子や起床時の様子等、生活を見ることでいろいろな「気づき」があり、ケアの方針を決めるのに役立つでしょう。
4、通所介護の経営状況について
ざっくり、2021年度の通所介護の経営状況データを見ると、2つに1つの事業所が赤字という厳しい状況であり、今後の人件費、光熱費、物価の上昇に備えていく為にも、早めに対策が必要と考えました。
人件費は中々変えることが出来ず、最低賃金の引き上げにより、なかなかの影響を受けている次第でございます。
光熱費(こまめに電源を切る等節約済み)、物価(少しでも安い店で買う)などしていますが、上昇していく一方で厳しい現状です。
その他に考えられるのは、最近回復気味ではありますが、70%台に落ちた稼働率のアップに取り組むことが安定した運営につながると考えるようになったのです。
WAM Research Report「2021年度(令和3年度)通所介護の経営状況について
https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/230119_No008.pdf
施設の現状を考える
定員65名で1日平均利用者数は53名程、予定人数を含めると59名で、大体1割程度のキャンセルが発生しているような状況です。
1日あたり1人8,500円X53名X25日=11,262,500円
年間135,000,000円
前年度もこれぐらいの数字だったので、安定していると言えば安定している。
加算は入浴介助加算(I) 40単位/日、サービス提供体制加算(I) 22単位/回、科学的介護推進体制加算 40単位/月、ADL維持等加算(II) 60単位/月、処遇改善加算I 5.9%、特定処遇改善加算I 1.2%、ベースアップ等支援加算 1.1%と必要最低限の加算の算定しかしていません。(口腔機能向上加算、中重度者ケア体制加算あたりも算定可能になりそうです)
ただし、他の事業所が結構厳しかったりするので、補填する形になるのです。
加算の算定に向けて動いてはいますが、複雑で分かりにくいとの事から、制度の簡素化が議論に上がっているので、確定するまでは様子見となります。
職員さんは65名定員まで対応できるので、まずは定員いっぱいまで予定人数を確保し、稼働率を上げていくことを考えました。
机上の空論シミュレーション
皮算用で予定人数65名、キャンセル率1割で計算すると・・・
12,537,500円
差額なんと1,275,000円(職員5人ほど雇える金額)
期末ボーナスも払える金額になってきますね。
お泊りデイの収益の最大値は3,000円X9人X20日(日曜定休日)=540,000円
夕食、朝食(宿泊費に含まれている)を1人1,000円で設定
1,000円X9人X20日=180,000円
540,000円-180,000円=360,000円
お泊りが70%の稼働率(一日6.3人)で252,000円超えるのであれば、運営できそうな感じです。
とりあえず上記リンク先の「事業の人員、設備及び運営に関する指針について」を再度確認しておきます。